公立の合格辞退について

今回は公立高校の合格辞退について考えてみます

これはなかなかマニアックな話になります

 

保護者面談をしていると時々公立に合格した後に私立に進学できますか?と聞かれます

そういう場合はたいてい、「基本的には公立は合格したら行かなくてはいけません』と答えています

ここで基本的にはと言っているのは実際は公立辞退という制度が存在しているからです

ただ合格辞退について詳しく話すと限られた保護者面談の時間が削られてしまうので普段はあまり話しません

 

 

 

合格辞退はちゃんと公立高校の募集要項にも記載されている正式な制度です

合格辞退者は合格辞退届を高校の校長先生まで合格発表翌日11時までに提出すること、と書かれています

(ただ公立の募集要項は67ページもあるのでちゃんと読んでいる生徒はほぼいないと思います)

 

そもそも「合格辞退」あまり聞きなれない言葉かと思います

私もこれまでこの制度を使った教え子は一人もいません

学校の先生も進路説明会や保護者面談でもあまり言わないかもしれません

というか学校の先生は正直、合格辞退に対してあまりよく思っていない気がします

公立を辞退して私立に進むなら最初から公立の願書を出さないように、あるいは第2希望の公立より私立に進みたいなら公立は1校受験にするように勧めていると思います

 

 

 

では合格辞退は募集要項にも記載されている制度なのになぜ学校側があまり積極的ではないかというと、その理由として考えられるのはこんな感じでしょうか

 

①単純に事務作業が増える

合格発表後の慌ただしいタイミングで中学だけでなく高校にも事務作業を押し付けることになります

高校側も2次募集のタイミングは過ぎており追加で募集できません

 

②タイムリミットが短すぎる

昨年度でいうと、合格発表と二次募集の発表が3/9でした

そして合格辞退の期限が3/10の11:00とかなり短いのでゆっくり考える時間はありません

 

③だれかが代わりに不合格になっている

合格した高校を辞退する生徒が最初から受験していなければギリギリで不合格になった生徒が一人合格していたはずです

その不合格になった生徒は第2希望の高校やすべり止めの私立に行ったかわかりませんがとにかく他人の人生に影響を与えています

 

④気軽に合格辞退できると混乱する

気軽に誰でも合格辞退できるとなると行く気のない高校に記念受験する生徒や遊び半分で受験する生徒、また塾などが合格実績を出すために無理やり受験させるなどすると補欠合格を制度として採用しないと定員を大きく下回る高校が続出する

 

 

 

そんな合格辞退という制度を使っても学校側に認められるとしたら保護者の仕事の転勤などで急な転居をすることになり通うのが難しくなったなど客観的に見てやむを得ないと判断される場合でしょうか

実際、毎年かなり少数ですが合格辞退する生徒はいるようです

 

ただ合格辞退は正式に募集要項にある制度なので、どうしてもギリギリまで私立と公立で真剣に悩んでいて受験して公立に合格してしまったが私立に進みたくなった場合は使用する権利は全生徒にあるので使ってもよいとは思います

ちなみに受験直前に公立より私立に行きたくなった場合はそもそも受験しない受験辞退という制度もあります